Shin Sodeyama - Portfolio

ReX

楽天らしいUXをもたらすデザインランゲージ開発

2017

楽天ブランドとして統合されたUXを提供するために、デザインランゲージの開発が急務でした。
TwitterのBootstrap、SalesforceのLightning、GoogleのMaterial Design。エコシステムビジネスを展開するグローバルブランドは必ず独自のデザインランゲージを持っており、それは体験の”ブランドらしさ”を生み出す重要な装置です。
IDEO主導のこのプロジェクトにブランド側の主担当として参画し、シリコンバレーなどのIT企業のUXデザイナーとの討論を重ねながら、楽天のデザインランゲージを開発しました。

プロダクトーナー
楽天
担当
UX/UIデザインシステムデザインブランドデザイン

背景

2017年のブランド統合プロジェクトと一緒に始動したのが、ReXプロジェクトでした。ReXとは、Rakuten Experienceの訳で、グループ横断で楽天らしいUXを実現することを目指したプロジェクトです。

特にデジタルサービスにおいては、Brand = UXといっても過言ではありません。10年前であればB.I.(Brand Identity)に一貫性を持たせるための手段としてV.I.を定義すれば十分でしたが、デジタルの時代においてはX.I.(Experience Identity)を定義する必要があります。

2017年当時、管理者不在という理由の故、楽天の200を超えるサブブランドのUXには統一感がありませんでした。これは、エコシステムを構築しようとしている楽天ブランドにとって大きな足枷となります。

当時のクロスユース率は2.1。大抵のユーザーが楽天市場と楽天カードのみを使っている状況でした。楽天グループとしての売り上げを大幅に上げていくためには、クロスユースを向上させる必要があることが調査により判明していました。

「楽天だから使う」を促進するための戦略がB.I.戦略だとしたら、「楽天らしい体験だから使う」を促進するための戦略がX.I.戦略です。

IDEO主導のこのReXプロジェクトにブランド側の主担当として参画しました。

デザインランゲージについての理解を深める

シリコンバレーなどのグローバルIT企業のUXデザイナーのところに、デザインランゲージについてのインタビューをしにいきました。どの企業も複数ブランドを抱えている中で、独自のデザインランゲージを開発するにあたっての困難だった点や成功のポイントについての話を聞くことができました。

アプローチ

IDEO主導のプロジェクトだったため、デザイン思考のプロセスに則ってユーザーインサイトを得るところから始まりました。セグメントについて、楽天LoverとAmazon Lover のエクスリームーユーザーにインタビューを行いました。

エスノグラフィー

ユーザのお宅にお邪魔して、実際の生活の状況や背景情報を把握しながら、楽天のUXや、アプリ体験で大切なことについてのインタビューを行いました。

11人のインタビュー

UX(Brand)バリューの定義

インタビューの結果と、ブランドチームで独自に行っていたブランド調査のインサイトに基づき、楽天が提供すべきUXバリューを定義しました。

同時にブランドバリューの定義をも行いました。

ブランドバリューとUXバリュー
UXバリューの元になったユーザーからのコメント

楽天のUI/UXに関わる全て人が、楽天のUXバリューを理解・体験しやすいように、UXバリューをグラフィック化しました。

UX principles

UXコンセプトの開発

バリューの定義が終わったら、次はUXコンセプトの定義です。
デザイン思考でいうアイディエーション(発散フェーズ)のため、多方の部署からコアメンバーを集め、楽天ならではのUXコンセプトを模索するためのワークショップを行いました。

私が推した「ORI」というコンセプトも最後まで残りました。

最終的には「テーマパーク」というコンセプトが採用になりました。

コンポーネント開発とデザイン検証

コンセプトが決まった後は、UIコンポーネントの開発と、主要サービスでのデザイン検証に移りました。

楽天市場などのビッグパーティのウェブサイトをベースに、さまざまなUIの検証を行いました。

楽天市場といったビッグパーティ以外のサービスのウェブサイト・アプリについても、オーディットとデザイン検証を行いました。

Service audit

同時に、UIコンポーネントのデザイン検証をUX/UIチームが行いました。

ボタンスタイル

カードスタイル

エグゼキューション

イントラネットに「Brand & Rex」というサイトを公開し、楽天のUX/UIに関わる全ての人間が参照できるようにしました。

ReX portal site

ブランド変更と違って、ReXはあくまでもNice to haveの努力指標ではありますが、ヘッドクオーター側の人間としてサブブランドの隅々まで楽天らしい体験が実現されるように、事業部メンバーに対してのワークショップやサポート業務を行っています。

私自身は主にブランド側の調査やインサイトの抽出、コンセプト開発や、カラーなどの共通ブランドアセットの開発の主導に携わらせてもらいました。

200を超えるブランドを有する楽天というメガベンチャーで、デザインランゲージの開発とIDEOのデザイン思考による課題解決を間近で見られたのはとてもいい経験になりました。

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