Shin Sodeyama - Portfolio

Pole&Line

CX・ブランド強化

2019

お世話になっているリクルートメントエージェンシーのCX強化戦略の策定とリブラディングを行いました。
NPSスコア-37.5というリクルートメント業界において、少数先鋭で高い品質のサービスを提供しているPole&Line。私を担当してくれていたリクルーターの質もいわずもがなとても高いものでした。
そんなPole&Lineがさらなる顧客関係性の強化に向けてCX戦略プロジェクトをスタートさせました。

プロダクトーナー
Pole&Line
担当
CX戦略ブランドデザイン

背景

リクルートメントエージェンシー業界はNPS-37.5と、お世辞にも顧客満足の高い業界とは言えません。さらにこの数字は、候補者から見たエージェンシーのNPSであって、企業側から見たエージェンシーのNPSではありません。

後述しますが、企業側から見たエージェンシーのNPSは簡易的な指標ではありますが、-70.45という圧倒的に低い数字になっています。

つまり、候補者からも、企業側からも、評価が低いというのがリクルートメントエージェシー業界なのです。

大手のリクルートメントエージェンシー業界においては、ビジネス経験のないままに現場に放り込まれた新卒が、架電数や面談数などのKPIのもと、ひたすら量的アプローチによるマッチングを行っています。

ブラインドレジュメ(中身も確認せず企業側にCVを流すこと)も横行し、企業側は疲弊してしまっているようです。しかし、人材市場は圧倒的な人手不足であるため、エージェンシーの質が多少低かろうが、目を瞑ってお付き合いするしかないというのが現状のようです。

そんな状況の中で、Pole&Lineは「プロフェッショナリズム」「品質」にこだわったリクルートメント支援を行っていました。

Pole&Lineのリクルーターが、私に声をかけてくれたのがきっかけで知り合いましたが、事実このリクルーターは、私が知っている20人以上のリクルーターと比べても圧倒的に業界や業種、そして紹介先の企業のことをを知っており、対応も丁寧で、この人だったら任せられるなという信頼感がある人でした。

そんなPole&Lineが、今後のさらなる顧客関係性の強化に向けて、現状の立ち位置と必要な施策を知りたいということでCXプロジェクトを始めることにしました。

アプローチ

まずリクルートメント業界についてやPole&Lineについてのヒアリングを行いました。

リクルートメント業界はtoBビジネスの中でも特殊な業界なので私自身に知見はありませんでしたが、丁寧にヒアリングを行うことで知見を深めていきました。

ヒアリングを行いながら、ステークホルダーオーディットとプロジェクトの進め方について議論をしていきました。

ステークホルダーオーディット

社長との直のやりとりだったので社内のステークホルダーオーディットは飛ばして、顧客周辺のステークホルダーオーディットをヒアリングしました。

リクルートメントエージェンシービジネスには、候補者企業という2つのステークホルダーが存在します。

トリッキーなのが、大手エージェンシーはテレビCMなどを行い、候補者に向けたコミュニケーションを展開しているため、対候補者ビジネスのように見えますが、マッチング成立時に紹介料を払うのは企業なので関係性を改善維持すべきなのは企業なのです。

言い換えると、企業にとって必要とされるリクルートメントエージェンシーにならなければ生き残ることは難しいと言えます。

候補者を置き去りにしていいという話でもありませんが、Pole&Lineの場合はまず企業を見にいくことにしました。

NPS調査

プロジェクト開始にあたっては、現状のPole&Lineと取引先業との関係性、そしてどんな体験が顧客関係性の維持・向上に役に立つのかを解き明かすため、NPS調査を実施することにしました。

NPS調査は通常カスタマージャーニーに基づいて体験を解き明かし設問をしていきますが、toCとは違いリクルートメントエージェンシービジネスのカスタマージャーニーが特殊であるため、アンケート設計そのものの難易度がとても高かったです。

社内の何人かのリクルーターに普段の業務での企業側担当との接点についてのヒアリングを行い、体験の解像度を上げていきました。

取引先企業の約50人に対して匿名の調査を依頼しました。

結果について驚きなのが、一般的なリクルートメントエージェンシーに対するNPSが-70.35という驚異的な低さだったということです。企業のリクルートメントエージェンシーに対する大きな不満が見て取れます。

これに対してPole&LineのNPSは30.4と、他業界含めてもかなりの高水準であることが判明しました。推奨者が大多数を占めており、コメントも基本的には好意的なものばかりでした。

満足度と重要度とのギャップ、つまり顧客は重要だと考えているが満たされていないことでは、電話営業に関する事項について若干の乖離が見られました。Pole&Lineは、PUSH型営業だけをしているわけではないので、実態と設問のギャップがあったことが理由かもしれません。

アクションドライバーチャートの作成も行いました。
ここでは、Pole&Lineが既存顧客との関係性を強化していく上で重要な項目が明らかになっています。

優先改善項目では、

  • 会社の知名度
  • ブランドイメージや安心感

といった項目が上がりました。

重点維持項目では、

  • 案件の進行スピード
  • 担当者の企業戦略・事業戦略への理解度
  • 案件への責任感の強さ
  • 担当者の業界・業種への理解度の高さ

が上がりました。

コメント分析からは、リクルートメントエージェンシーとして期待される資質について解き明かしました。

デプスインタビュー

定量調査に加えて、企業人事担当者に1on1のオンラインインタビューを行いました。

定量調査で得られた言葉や価値観の文脈を深く理解し、”価値”の細分化とモデリングを行うとともに、HPや会社案内で、リテーナーサーチ(高成果報酬サービス)に対して、ユーザの納得度を上げ、導入意向を高めるしてもらうための、訴求方法に関するインサイトを得るためです。

4名に対してデプスインタビューを行い、Pole&Lineが勝つための視座、提供するべき価値、コンサルタントのあるべき姿について解像度を上げていきました。

インタビュー内容にもとづき、提供価値モデリングを行いました。
ブランドコミュニケーションを段階的に戦略的に行うためにも、ピラミッド型のブランドエクイティモデルを採用しました。

CXに関するインサイト

Pole&Lineは、「プロフェッショナリズム」「品質」にこだわったサービス提供を目指しているとの社長の言葉でしたが、企業の顧客からもしっかりと認識され、評価されているということが判明しました。

強いて弱点を挙げるのであれば、ブランドサイトでの体験や知名度がボトルネックとなっていました。

知名度課題を解決するためには相応のマーケティング予算をさかないといけないので、まずはブランドのリニューアルとサイトの改善を行うことにしました。

調査に基づいて、サイトに盛り込むべき機能・コンテンツを精査していきました。

  • TEAM、コンサルタント情報の充実化 専門領域などの強みの打ち出し
  • リテーナーサーチについての情報の充実化
  • 過去案件の記事化

ブランドリニューアル

CX上、唯一の弱点となるブランドサイトのリニューアルを行うことにしました。

調査で得られたリクルートメントエージェンシーとして打ち出すべき資質・イメージに加えて、Pole&Lineが目指す「プロフェッショナリズム」「品質の高さ」「人の良さ」を表現する新しいB.I.の方向性を探っていきました。

最終決定のロゴ
ブランドのトーン&ボイスの策定

ウェブサイトのプロトタイピング

リニューアル前のサイト解析によると、最も閲覧数が多いページはコンサルタントの詳細ページでした。また定量・定性調査からも「企業イメージも大事だが、どのコンサルタントかはもっと重要である」とのコメントもありました。

そのため、コンサルタントひとりひとりの個性が伝わるように、私が個別取材を敢行し、プロフィールの充実化を行いました。

成果

問い合わせCVRが0.2%から0.55%に向上し、月当たりの問い合わせ平均数も3.2から4.6に上昇しました。一般的なBtoBサイトに比べてもややコンバージョンが低いのが気になりますが、リクルートメントエージェンシーの特性でしょうか。
直帰率は40%代後半とまずまずのパフォーマンスを維持しています。

サービス品質担保のため、クライアント企業が多すぎても困る、むしろ取引先数は絞らないといけないという特殊な事情のPole&Lineなので、問い合わせ数などはそれほど重要ではないとのことでしたが成果として報告しておきました。

ちなみに2020年のPole&Lineの売り上げはコロナ禍にもかかわらず好調だったようです。そもそものリクルーターの質が高いというのが好調を維持している要因だと強く感じますが、このプロジェクトでサイトパフォーマンスを向上させることができたので取り組む価値があったなと思いました。

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